疲労やめまいだけでは貧血と判断できない
貧血では,疲れやすさ,息切れ,動悸,頭痛,めまい,顔色の変化などが現れることがあります.しかし同じ症状は,心臓,肺,甲状腺,睡眠などの問題でも起こります.
血液検査でヘモグロビン,赤血球の大きさ,鉄の貯蔵状態などを調べ,原因に応じた治療を受けることが基本です.
全身のだるさに伴う姿勢と緊張をみる
長生医学的には,貧血に伴う全身のだるさを,脊柱,頚部,胸郭,腹部,呼吸,姿勢の変化とともに観察します.疲労のため動作が小さくなると,首や背中のこわばりが加わることがあります.
手技によってヘモグロビン値を改善すると説明することはできません.原因治療を優先し,併存する筋緊張や身体の負担を補助的に整えます.
施術前に確認すること
- 血液検査の結果と,医師から説明された貧血の種類
- 月経量,消化管出血,手術,献血など出血の可能性
- 息切れ,動悸,胸痛,失神の有無
- 食事,鉄剤,ビタミン剤など治療の内容
- 腎疾患,慢性炎症,がん,妊娠の有無
体調を確認しながら身体のこわばりを整える
医療機関で原因と重症度が確認され,施術が適すると判断できる場合に,息切れや動悸が出ない姿勢を選び,頚部,胸郭,背部,腰部の緊張を確認します.
疲労が強い場合は短時間とし,立ち上がり時のふらつきや顔色を確認します.
日常生活で意識すること
鉄剤やその他の治療は,自己判断で中断せず医師の指示に従います.鉄を含む食品だけで改善しない貧血もあるため,原因を確認せずにサプリメントへ頼らないようにします.
息切れや動悸が強い時期は,激しい運動や長時間の入浴を控えます.
参考資料
- Kumar A, Sharma E, Marley A, Samaan MA, Brookes MJ. Iron deficiency anaemia: pathophysiology, assessment, practical management. BMJ Open Gastroenterology. 2022;9:e000759. doi:10.1136/bmjgast-2021-000759
- Camaschella C. Iron-deficiency anemia. New England Journal of Medicine. 2015;372:1832-1843. doi:10.1056/NEJMra1401038
医療機関での確認を優先する状態
次の状態では,重い貧血,活動性の出血,心臓への負担などを確認します.
- 安静にしていても息苦しい,胸痛,強い動悸がある
- 失神した,意識がぼんやりする
- 吐血,黒い便,血便,多量の性器出血がある
- 急に顔色が悪くなり,冷汗や脈の速さを伴う
- 妊娠中に強いだるさ,息切れ,出血がある
- 血液検査で重い貧血を指摘されている