血圧値だけでなく症状と原因を確認する
血圧は体格,時間帯,姿勢,水分,薬剤などで変化します.立位で血圧が低下し,めまいや失神が起こる起立性低血圧では,転倒予防と原因の評価が重要です.
急な出血,感染,心臓の病気などでも血圧が下がるため,発症の速さと全身状態を確認します.
姿勢変化と全身の緊張をみる
長生医学的には,頚部,胸郭,脊柱全体の緊張,呼吸,姿勢変化への反応を確認します.低血圧そのものを脊椎の状態だけで説明せず,医療機関で原因を調べたうえで,だるさや身体のこわばりを分けて扱います.
施術中の起き上がりや立位では,急に姿勢を変えず,顔色やふらつきを確認します.
施術前に確認すること
- 普段の血圧と,症状が出る姿勢や時間帯
- 立ちくらみ,失神,動悸,息切れの有無
- 水分摂取,発汗,下痢,出血の可能性
- 降圧薬,利尿薬,睡眠薬など服薬の内容
- 心臓,内分泌,神経疾患,貧血の既往
姿勢をゆっくり変えながら負担を整える
医療機関での評価を受け,施術が適すると判断できる場合に,長時間のうつ伏せや急な起き上がりを避け,横向きや座位を含めて体位を選びます.
頚部,胸郭,腰部,下肢の緊張を確認し,呼吸や筋活動を妨げる負担を整えます.血圧を上げることを施術の効果として約束するものではありません.
日常生活で意識すること
起床時は,横向きになってから座り,足を動かして数十秒待って立ちます.十分な水分や塩分が適するかは,心臓・腎臓の状態によって異なるため,医師へ確認します.
入浴後,飲酒後,暑い環境では症状が出やすいため注意します.
参考資料
- Wieling W, Kaufmann H, Claydon VE, et al. Diagnosis and treatment of orthostatic hypotension. The Lancet Neurology. 2022;21(8):735-746. doi:10.1016/S1474-4422(22)00169-7
- Freeman R, Wieling W, Axelrod FB, et al. Consensus statement on the definition of orthostatic hypotension, neurally mediated syncope and the postural tachycardia syndrome. Clinical Autonomic Research. 2011;21(2):69-72. doi:10.1007/s10286-011-0119-5
医療機関での確認を優先する状態
次の状態では,ショック,出血,心臓・神経疾患などを確認するため,速やかな受診が必要です.
- 失神した,または転倒して負傷した
- 胸痛,息苦しさ,強い動悸を伴う
- 黒い便,血便,吐血,月経以外の多量出血がある
- 発熱,冷汗,意識がぼんやりする,脈が速い
- 言葉や手足の動きに異常がある
- 妊娠中に強い腹痛や出血,めまいがある