眼の調節と画面作業の負担を考える
近くを見続けると,眼のピント調節や両眼の協調へ負担がかかります.画面作業ではまばたきが減り,乾燥感が強くなることもあります.
眼の症状に頭痛や首肩の緊張が重なる場合でも,視力,眼圧,角膜や網膜などの状態を手技で確認することはできません.眼科での評価が基本です.
上部頚椎と姿勢の負担をみる
長生医学的には,眼の疲れと上部頚椎,後頭部,肩甲帯,胸郭の緊張を関連づけて観察します.画面へ顔を近づける姿勢が続くと,後頭部や首の筋肉が緊張し,頭痛を伴うことがあります.
眼球を直接圧迫せず,視作業に伴って生じた姿勢と筋緊張を整えることを目的とします.
施術前に確認すること
- かすみ,乾燥,眼痛,頭痛の現れ方
- 片眼か両眼か,休息で改善するか
- 眼鏡やコンタクトレンズの使用状況
- 画面までの距離,照明,連続作業時間
- 視力低下,充血,光の輪,飛蚊症の急な変化がないか
眼に触れず,頚部と上半身の緊張を整える
施術が適すると判断できる場合に,後頭部,頚部,肩甲帯,胸郭の緊張と姿勢を確認します.眼球やまぶたへ圧力を加えず,呼吸と首の動きを妨げる緊張へ穏やかに働きかけます.
施術後も眼の症状が続く場合は,視力や眼疾患の評価を優先します.
日常生活で意識すること
画面は目線よりわずかに低くし,文字を無理なく読める大きさへ調整します.20分ごとを目安に遠くを見て,意識してまばたきをします.
乾燥感が続く場合や眼鏡が合わないと感じる場合は,眼科で相談します.
参考資料
- Sheppard AL, Wolffsohn JS. Digital eye strain: prevalence, measurement and amelioration. BMJ Open Ophthalmology. 2018;3:e000146. doi:10.1136/bmjophth-2018-000146
- Rosenfield M. Computer vision syndrome: a review of ocular causes and potential treatments. Ophthalmic and Physiological Optics. 2011;31(5):502-515. doi:10.1111/j.1475-1313.2011.00834.x
医療機関での確認を優先する状態
次の状態では,急性の眼疾患や神経疾患を確認するため,眼科などへの受診を優先します.
- 急に視力が低下した,視野の一部が欠けた
- 強い眼痛,充血,吐き気,光の周りに輪が見える
- 物が二重に見える,まぶたが下がる,手足の症状を伴う
- 光が走る,黒い点が急に増える,カーテンがかかったように見える
- 眼の外傷や薬品の飛入があった
- 片眼だけの症状が続く,または急速に悪化する