めまいの現れ方
頭を動かしたときに短く回る,何時間も続く,歩くとふらつく,耳鳴りや難聴を伴うなど,症状の型はさまざまです.内耳の前庭系,脳や神経,血圧や循環,薬の影響など多くの背景があります.
首や肩の緊張を同時に感じても,それだけで原因を首に決めることはできません.発症の仕方,持続時間,頭の位置との関係,目の動き,耳の症状を整理します.
身体全体の緊張と姿勢も確認する
長生医学的には,めまいを迷路や前庭神経,小脳などに関係するものとして捉えながら,頚椎上部,胸椎,骨盤,呼吸,姿勢との関連も見ます.ふらつきを避けるため全身を固めている場合,その緊張が首や背中へ残ることがあります.
耳の症状,血行の変化,疲労,睡眠,食事,服薬などを切り離さず,めまいが起こる前後の身体の状態を確認します.
施術前に確認すること
めまいの種類を言葉だけで決めず,次の点を確認します.
- いつ始まり,何秒・何分・何時間続くか
- 頭の位置,寝返り,立ち上がり,歩行との関係
- 耳鳴り,難聴,耳の詰まり,吐き気の有無
- 頭痛,物が二重に見える,しびれ,筋力低下の有無
- 頚椎の動き,姿勢,呼吸,服薬,睡眠の状態
急な頭位変換を避けて施術する
施術では,めまいの経過と身体の状態を確認し,施術が適すると判断できる場合に,頚部,胸椎,肩甲帯,骨盤の緊張へ穏やかに働きかけます.急に頭を動かしたり,首を強く回旋させたりせず,姿勢を変える際も反応を確認します.
めまいそのものを一つの脊椎の問題へ結びつけず,耳や神経系の背景と,全身の緊張による二次的な負担を分けて考えます.
日常生活で意識すること
起き上がるときは,仰向けから急に立たず,横向きになって座り,数秒待ってから立ちます.夜間の移動では照明を使い,浴室や階段では手すりを利用します.
めまいがある間は,高所作業,自転車,自動車の運転を控えます.水分不足,食事抜き,睡眠不足で悪化する場合があるため,起こる条件を記録します.
参考資料
- Bhattacharyya N, Gubbels SP, Schwartz SR, et al. Clinical Practice Guideline: Benign Paroxysmal Positional Vertigo (Update). Otolaryngology-Head and Neck Surgery. 2017;156(3 Suppl):S1-S47. doi:10.1177/0194599816689667
- Bisdorff A, von Brevern M, Lempert T, Newman-Toker DE. Classification of vestibular symptoms: towards an international classification of vestibular disorders. Journal of Vestibular Research. 2009;19(1-2):1-13. doi:10.3233/VES-2009-0343
医療機関での確認を優先する状態
次のような状態では,症状の経過と身体の状態から,画像検査,血液検査,薬物療法,手術,救急処置などを優先すべきと判断し,施術を控えて受診をお勧めします.
- 突然の激しいめまいに,ろれつの回りにくさや手足の脱力を伴う
- 物が二重に見える,まっすぐ歩けない,意識がぼんやりする
- 突然の激しい頭痛,首の痛みを伴う
- 新たな難聴,強い耳痛,耳の発疹がある
- 胸痛,動悸,失神を伴う
- 繰り返す嘔吐で水分を取れない,または症状が急速に悪化している