腫れと痛みだけで損傷の程度は決められない
軽い捻挫でも腫れや内出血が出ることがあり,反対に骨折があっても歩ける場合があります.受傷時の方向,音,荷重の可否,骨の圧痛,関節の変形を確認します.
急性期は損傷組織を保護し,必要に応じて画像検査を受けます.
関節だけでなく全身のかばい方をみる
長生医学的には,患部の関節に加え,足関節なら膝,股関節,骨盤,仙骨,歩行の変化を確認します.痛みを避けて片側へ体重を移すと,腰や反対側の脚にも負担が加わります.
受傷直後の腫れや熱感が強い時期に,無理な矯正や強い刺激を加えることは避けます.
施術前に確認すること
- 受傷した方向,時刻,その後に歩けたか
- 骨の一点に強い圧痛がないか
- 腫れ,内出血,変形,熱感の程度
- 関節が抜ける感じや不安定感がないか
- 過去の捻挫回数,固定やリハビリテーション歴
急性期を過ぎてから動きと安定性を整える
骨折や大きな靱帯損傷が否定され,施術が適すると判断できる段階で,患部を保護しながら周囲の筋緊張,関節可動域,荷重のかけ方を確認します.
回復段階では,足関節の動きだけでなく,片脚立ち,方向転換,歩行時の安定性を整え,再発を防ぐことを目指します.
日常生活で意識すること
受傷直後は無理に歩き続けず,医療機関の指示に沿って保護・固定します.腫れが増える活動を避け,足を下げたまま長時間過ごさないようにします.
回復後は,足関節の可動域,ふくらはぎの筋力,片脚でのバランスを段階的に戻します.
参考資料
- Martin RL, Davenport TE, Fraser JJ, et al. Lateral ankle ligament sprains: clinical practice guidelines linked to the International Classification of Functioning, Disability and Health. Journal of Orthopaedic & Sports Physical Therapy. 2021;51(4):CPG1-CPG80. doi:10.2519/jospt.2021.0302
- Delahunt E, Bleakley CM, Bossard DS, et al. Clinical assessment of acute lateral ankle sprain injuries. British Journal of Sports Medicine. 2018;52(20):1304-1310. doi:10.1136/bjsports-2017-098885
医療機関での確認を優先する状態
次の状態では,骨折,脱臼,腱断裂,大きな靱帯損傷を確認します.
- 受傷直後から4歩以上歩けない
- 骨の一点を押すと強く痛む
- 関節の変形,著しい腫れ,急速に広がる内出血がある
- 足先が冷たい,しびれる,色が悪い
- アキレス腱部で音がして,つま先立ちができない
- 数日たっても痛みや荷重能力が改善しない