症状別解説

便秘

便秘は、排便回数が少ないだけでなく、便が硬い、強くいきむ、残便感がある、排便に時間がかかる状態を含みます。

排便回数だけで判断しない

回数が少なくても苦痛がなければ、必ずしも便秘とは限りません。反対に、毎日排便していても、強くいきむ、便が硬い、出し切れない感じが続く場合は、排便機能の負担を考えます。

食物繊維や水分、運動量、便意を我慢する習慣、薬の影響、腸の動き、骨盤底の協調などが関係します。急に始まった便秘と、長く続く便秘では確認する内容が異なります。

腹部と骨盤の状態を含めて見る

長生医学的には、便秘を腹部だけの問題に限定せず、仙骨、尾骨、腰椎、骨盤、座る時間、排便習慣との関係から捉えます。腹部の張り、食欲、便の性状、排便後の感覚も確認します。

長時間の座位や、便意を我慢する生活が続くと、腹部と骨盤周囲へ力が入り、排便時に必要な緩みが得られにくいことがあります。呼吸と姿勢も見ます。

施術前に確認すること

便秘の期間と便の状態を具体的に確認します。

  • 排便回数、便の硬さ、強くいきむか、残便感の有無
  • 腹痛、腹部膨満、吐き気、血便の有無
  • 食事、水分、運動、便意を我慢する習慣
  • 服薬、既往歴、体重の変化
  • 腰椎、仙骨、骨盤、腹部の緊張と呼吸

腰部骨盤腹部を一続きに施術する

施術では、腰椎下部、仙骨、骨盤の状態を確認し、腹部の緊張と呼吸を見ながら施術します。腹部を強く押し込むのではなく、痛みや抵抗を確認し、身体が緩められる範囲で進めます。

便秘の原因を一つの骨格異常へ決めつけず、生活習慣、薬、腸の状態などを含めて施術の適否を判断します。

日常生活で意識すること

朝食後など時間を決めて便座へ座り、足台を使って膝を少し高くすると、強くいきまずに排便しやすくなります。便意があるときに後回しにしないことも大切です。

食物繊維は急に大量に増やすと張りが強くなることがあります。水分、食事、運動量を少しずつ見直し、自分に合う変化を記録します。

ちなみに慢性便秘の評価では

便の通過が遅い状態と、骨盤底の筋肉が排便時にうまく緩まない状態などを分けて考えます。回数だけでなく、硬さ、いきみ、残便感、生活への影響を確認することが重視されています。

参考資料

  1. Bharucha AE, Pemberton JH, Locke GR. American Gastroenterological Association technical review on constipation. Gastroenterology. 2013;144(1):218-238. doi:10.1053/j.gastro.2012.10.028

医療機関での確認を優先する状態

次のような状態では、症状の経過と身体の状態から、画像検査、血液検査、薬物療法、手術、救急処置などを優先すべきと判断し、施術を控えて受診をお勧めします。

  • 血便や黒い便が出る
  • 強い腹痛、繰り返す嘔吐、発熱がある
  • 腹部が著しく張り、便もガスも出ない
  • 原因不明の体重減少や貧血がある
  • 便秘が急に始まり、短期間で悪化した
  • 大腸疾患の家族歴や既往があり、便の状態が変化した
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