「あん摩」「マッサージ」「指圧」は、いずれも身体を整えるための伝統的な手技ですが、その成り立ちや体系には違いがあります。共通する部分もあれば、それぞれ独自の強みもあります。本稿ではまず、それぞれの基本手技を整理したうえで、当院で行っている「脊椎矯正」との関係について解説していきたいと思います。
1.あん摩の基本手技
日本の伝統的なあん摩には、次の7つの基本手技があります。
●軽擦法(皮膚をなでるように滑らせる)
●揉捏法(筋肉をつかんで揉みほぐす)
●叩打法(一定のリズムで叩く)
●圧迫法(母指や手掌で押す)
●振戦法(細かく震わせる)
●運動法(関節を動かす)
●曲手(ひねる)
これらは「撫でる・揉む・叩く・押す・震わせる・動かす・ひねる」という多様な操作を通じ、全身の気血の巡りを改善し、調整を図るものです。
2.指圧の基本手技
指圧は「あん摩」や「マッサージ」と比べて非常に特徴的です。それは「押す」という一点に集約されている点です。
●垂直圧法:真下にゆっくり圧を加える
●持続圧法:一定時間圧を保持する
●漸増漸減圧法:じわじわ圧を深め、ゆっくり抜く
●振動圧法:圧をかけながら振動を与える
●圧迫移動法:経絡に沿って少しずつ場所を移す
摩擦や叩打よりも「圧の方向・強さ・持続」が重視されるのが、指圧の大きな特徴です。
3.マッサージの基本手技
西洋由来のマッサージは、スウェーデンで体系化された技法を基礎としています。基本となるのは次の5つです。
●軽擦法(Effleurage:なでる)
●強擦法(Friction:こする)
●揉捏法(Petrissage:もむ)
●叩打法(Tapotement:たたく)
●振動法(Vibration:ふるわせる)
血液やリンパの流れを促進し、筋肉を柔軟にし、リラクゼーションをもたらすことを目的としています。
4.当院で行っている「脊椎矯正」とは
当院では「脊椎矯正」を謳っておりますが、この矯正法とは、背骨や関節の歪みを調整するための特別な技法のことを言います。では、この矯正法はあマ指における技法のどこに位置付けられるのでしょうか。
矯正法は、基本手技 「運動法」の発展形 と理解されています。運動法には、関節を他動的に動かすもの、自発的に動かすもの、抵抗を加えるものなどがありますが、それをさらに発展させ、関節や脊柱の歪みそのものを正す目的で応用されるのが矯正法です。当院で実践している「脊椎矯正」もここに位置付けらると解されます。
まとめ
●あん摩は7法(軽擦法・揉捏法・叩打法・圧迫法・振戦法・運動法・曲手)
●指圧は「押す」ことに特化した独自の体系
●マッサージは5法(軽擦法・強擦法・揉捏法・叩打法・振動法)
つまり当院では、あマ指の基本手技である「運動法」を基盤とした発展的技術である矯正法の一環として、背骨や関節の歪みを整える目的として脊椎の矯正を行っています。
そして、それによって、患者さんが本来もつ自然な回復力を引き出すことを目指しています。
